ウクライナ占領地にこだわるプーチンはロシア軍の撤退を認めていないが、これは独ソ戦のスターリングラードの闘いに似ている。スターリンという名称にこだわったナチスのヒトラーはドイツ第5軍団50万人の兵士の撤退を認めず、占領していたスターリングラードの死守を命じた。ソ連のスターリン元帥はなんとしても自分の名前を付けた都市の奪還を言明し、大規模なソ連軍が四方を包囲していた。最終的に武器弾薬食糧が尽きたドイツは降伏し、大半のドイツ兵はシベリヤの大地に埋もれることになった。ヒトラーは精鋭の50万の兵士を失い、その後の第二次世界大戦の状況に大きな影響をしたのはご存知のとおりだ。さて、プーチン、占領した以上は撤退させない気だろうが、クラスター爆弾の雨がふれば何万人のロシア兵がウクライナの土になるだろう。そこに執着して引くことをしらない軍略の無知さが現れている。大河ドラマで織田徳川連合軍の鉄砲隊に向かった甲斐武田騎馬軍団がクラスター爆弾のような火縄銃からの無数の弾を浴びて壊滅したのも、武田勝頼の戦略的無能さだった。歴史上有名な戦争であるが、いくら勇猛無敵な軍団といえども、勇猛さだけでは勝負に勝てないといういい例でもある。さて、ウクライナと長篠の闘い、全く関係の無い戦争ではあるが、同じ人間、時代は違っても勝ち負けは結局同じ理屈で決まるということになるのだろう。