またも、歌舞伎座から大役者がいなくなりました。人間国宝中村吉右衛門さんが死去のニュースを聞いて残念至極です。中村勘三郎、市川団十郎など大名跡の看板役者がいなくなるたびに悲痛な思いは、歌舞伎界や歌舞伎ファンならずとも多くの人々に無念の思いを抱かせたとおもいますが、吉右衛門さんまでもいない歌舞伎はなにか大きな穴が開いたような感じです。まさに千両役者であり、歌舞伎界以外でも活躍された方なので惜しいです。人間は生まれたときから宿命を背負い、看板を背負い、役目を背負った人がたくさんいます、吉右衛門さんもそうでした。歌舞伎名門中村家を実兄の白鵬さんとともに盛り上げ発展させた功績は非常に大きいですし、その奮闘は天才の域に達したと思います。歌舞伎界は伝統と格式の世界、そこで生まれ精進するということは常人には測りかねますが、見事な最後でしょう。合掌
一方で、それぞれの家柄や伝統を簡単に踏みにじったり、そういう世界を嫌い、去って行く者も多いですね、如何に長年、何代も積み重ねられてものを維持するのがむずかしいか、今回はニューヨークに駆け落ちのように去った女の話ではなく、相撲界の話です。相撲も長い伝統があり、大横綱など関取が何人も角界を背負ってきました。そういう伝統がある競技であることを学び修練を積み重ねてきたであろう人物が起こした不祥事はいただけません。日大は確かに巨大すぎそれを管理するのは大変ですが、そういう管理する仕事をないがしろにして自らの私利私欲のために理事長の職権を乱用し、金まみれになるという体たらくは大学としての顔に泥をぬり、相撲道にも汚点を残したと思います。まあ今後の捜査の行方が分かってからでしょうが、日大は速やかに腐った膿を取り除き、日本最大の大学としての威厳を取り戻してもらいたいものです。なお、大学の学長とはあの程度の人間が多いというのも事実です、大学の教授には資格も試験もありません、論文を書かなくても教授になることも可能です、研究実績もなくても教授選考や学長選挙で票さえまとめればいくらでも学長になり、大学を人事と財務で牛耳ることは可能です。実際そういう質の悪い大学は存在することは知っています。もちろん外部の人間がいうのは難しいですが、本来ならば内部組織での管理体制の公正明確化し、民主的な大学組織を作ってほしいと思います。まあ、我が大学の伝統はそれはそれで大切ですから尊重しますが、大学も歌舞伎も相撲界も長い伝統と健全な組織を持たなくてはいけません。